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2021年 7月 15日 受験校の選び方(詳細)
こんにちは、吉祥寺校の飯島です。
もう(すぐ)夏休み!ということで、受験校の話を少々。
高3の夏休みは第一志望校の対策が主になるかとは思いますが、時間のある夏休み、15時間勉強するとしても15時間ぶっ通しで100%の集中力を保ち続けるわけではないでしょう。
なので、休憩時間、勉強そのものからは頭を離すその間、「大学、どこ受けようかな」なんて考えたり調べたりすると、時間をより有効に使えるのではないかと思います。
受験校選びについては各人持論があると思います。異論は認めますが、基本的には間違っていないことを言っているはずなので、参考にしていただければ幸いです。また、金銭的な採算は度外視して書きますので、悪しからず。
少々と言いつつ詳細ということで長いので、お昼ご飯でも食べながら読んでいただけると。
高校2年生以下の学年の皆さんも、これを機に受験校について考えてみていだたけると幸いです。
では本題。まず、相当優秀な人でない限り、
「第一志望校のみ受ける」というのはやめた方が良い
です。以下に理由を箇条書きします。
・本番一発目で雰囲気に飲まれる可能性がある。(本来の力を出せない→滑る)。
・本番の環境で初めて判明する問題が存在し得る。(知識的課題、緊張など事前に想定できない事態)
・第一志望校を受ける段階で合格が1つあるのとないのとでは精神衛生が全く異なる。(毎年、1つも合格がなくて精神的に不安定になる生徒が一定数います。受けなければ受かれません)。
ついては、別の大学を先に受けて練習をしておいた方が良いわけです。多くの人は共通テストを最初に受けるとは思いますが、各大学個別の試験は雰囲気も違いますし、出題形式も異なるので、共通テストを第一志望受験前の練習の試験としてカウントするのはやめておきましょう。それで合格する確率が上がるなら、受けておいた方が良くないですか?
受験本番は、大体は100%のパフォーマンスができません。第一志望は緊張しますから特に。それから、一発目の受験も同様です。一発目かつ第一志望なんて最悪ですね。あらゆる悪いことを想定して受験スケジュールを考え、本番に臨むことを強く奨めます。
あと、最初に言っておきますが、「こいつは絶対東大受かるわ!」と我々スタッフが思っていたような生徒でも、東大の入試で不合格になることがあります。そういう生徒の中には、他に合格がなくて浪人する人、受けておいた早慶で合格して進学する人、合格を蹴った上で浪人を決意する人など様々いますが、浪人するのでも覚悟をちゃんと決めるという意味でも、どんなに少なくとも1校は他の大学を受けることを推奨します。
それから、もう一つだけ余談(?)。合格ゼロの状態が受験期に長く続くと、病む人が多いです。予備校や高校では、合格が判明するとこぞって貼り出しますから、「周りは受かっているのに私は……」となってしまうわけですね。
「自分は大丈夫だろう」と思っている人ほど要注意。
そういう人の方がそうなったときの対処法を知らないから。精神的な問題で不合格にはなりたくないでしょう。そういう意味で、第一志望以外の大学を早めに受けておいた方が良いですし、共通テスト利用(旧”セン利”)も出しておいた方が良いです。もう一度言います。
合格ゼロで受験期を過ごすのは思っているよりキツイです。
では、どのレベルの大学をどのくらいの数受けるのかですが、ここからは志望校別に紹介していきます。
理系編
理系は文系と比べて各大学の傾向と対策の重要さは少しだけ低いです。数学も物理も化学も、扱えるようにしておくべき基本的な概念や知識、持つべき計算能力などは出題される問題に依らないからです。ただし、大学によって出やすい分野や求められるレベルは異なるので、この点はしっかり把握しておく必要があるでしょう。把握するにあたっては過去問演習が必要不可欠です。そんなもの知らなくても受かる人は受かりますが。生物は他の理数科目に比べて大学ごとの出題傾向に差がありますので、注意。化学も医学部など一部の大学でこまかーいことを聞かれることがあるので、少し凝った対策が必要な場合はあります。英語(と国語)は過去問やってください。地学は……わかりません……過去問はやってください……。(過去問演習いらないんじゃねみたいな印象を受けるかもしれませんが、基礎基本を身につけた上でそれを確認するのに最も有効な演習は第一志望校の過去問演習ですよ、基本的には)。
ついては、「過去問で志望校策をしなきゃいけない大学が増えると時間がなくなるから、受ける大学は最小限にしたい」という考え方は理系では本来ナンセンスです。(基本ができていれば傾向など関係なく大学受験の数学理科の問題は解けて当たり前のため)。自分の志望校のレベルにだけ注意して、第一志望校以外にも少なくとも4~5校は受けると良いでしょう。不安な人はもっと受けてください。ただし、受けすぎに注意する必要がある場合もありますので、ここから先を読み進めてください。
理科2科目受験(理工学部志望を想定)
旧帝や東工大志望なら、早慶理工で2つと理科大とMARCHを1つずつ程度、いわゆる滑り止め校1つ程度を受けるのが無難でしょう。ただし、早慶以外の私立大学の多くは理科1科目受験になります。となると、その期間は使わない方の理科1科目を放置することになりかねません。受験期は不安だから使う科目ばかりやりたがるものです。
それ以外の国公立志望の場合は、早慶の方が試験が難しいはずなので、受験する場合は練習感覚では受けないことです。受かりたいのならばちゃんと対策をした方が良いです。運ゲーで良いなら勝手にしてください。オススメはしません。上記の早慶の分を理科大やMARCH、滑り止め校に回してください。
理科1科目受験
第一志望と同レベルの大学をもう1〜2校、それ以下を3-4校。滑り止めを必ず2校以上入れることをお勧めします。1つでも合格がある状態で第一志望群の大学の入試に臨んでください。
文系編
文系は過去問演習が命になるでしょう。英語は大学によって出題形式はバラバラ、量も異なれば制限時間も違います。国語も大学によっては非常にクセがあります。基礎基本の知識がしっかりあっても、傾向を知らないと太刀打ちできない場合があります。社会も同様で、特に私立大学では「そんなん聞く?」という問題が出ることもザラです。大学によって傾向がかなり異なるので、抜かりなく準備をしてください。数学は基本概念の修得が全てです。が、不安がある人は自分の受験する大学の傾向を分析して頻出の範囲を優先して固めると良いでしょう。数学が得意な人は満遍なくやって周りと差をつけましょう。
国公立志望(英数国社受験を想定)
上記の通り、私立は大学によっては(国語や社会で)一癖も二癖もある問題を出してきます。私立大学の対策にあまり時間を使いたくない人は、自分の受ける大学と傾向が似ているところを探し出して優先的に受験してください。また、同様の理由から、数学ができる人は私立大学を数学で受験した方が過去問対策に費やされる時間が減るので、そちらをお勧めします。できる人なら周りと差をつけられますし。
受験する大学の数としては、旧帝一橋志望であれば早慶で2-3、MARCHで2、滑り止め校を最低1、くらいでしょうか。それ以外の国公立を受験する場合は、早慶の分をMARCHや滑り止めに適宜回してください。第一志望以外に5-6校受けるイメージですね。「早慶なんて天地がひっくり返っても受かるわ」という人はこの限りではありません。
また、私大の多くは「英国数」か「英国社」で受けることになるはずです。(小論文はおいておきましょう)。大体の人は受験科目を固定して受けるので、そうすると使わない教科・科目がでてきて、そこの勉強がおろそかになりがちです。(第一志望合格を最優先に考えて、戦略的に、私大で使う科目を入試ごとに切り替えるのは大いにありだと個人的には思います)。この観点から、私大を大量に受けすぎるのはあまりよろしくありません。受験スケジュールと照らし合わせて、多すぎず少なすぎず、第一志望直前に過密になりすぎないように注意して受験校を決めましょう。密です!
私立大学志望(国公立2次で3科目受験の人を含む)
理系と同様、第一志望と同レベルの大学をもう1〜2校、それ以下を3-4校。滑り止めを必ず2校以上入れることをお勧めします。1つでも合格がある状態で第一志望群の大学の入試に臨んでください。ただし、理系よりも過去問の分析には時間を要することをお忘れなきよう。第一志望群の大学と問題の傾向が近いところを優先して受けてください。「どこだよそれは?」「自分で過去問見て考えろ」
外大など受験科目が少ないにも拘らずレベルが高いところを受験する場合は、上記の2科目受験の方へのアドバイスの方が参考になるかもしれません。
まとめると、
・合格ゼロの状態で受験期を長く過ごさない(第一志望の入試に臨まない)。
・本番ではパフォーマンスが落ちることも考慮して、他の大学をいくつか受けるべし。
・受験科目が多い人は、私大受験で使わない科目がおろそかになりがちであることを考慮して、受験スケジュールを組むべし。密です!
といった感じでしょうか。自分にあった受験スケジュールを組むようにしてください。はっきり言って、受験スケジュールは各大学の合格を左右します。校舎のスタッフも全力で相談に乗りますので、一緒に頑張りましょう!